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「伝説の雀姉妹供
JUGEMテーマ:自作小説

 綿星の一件以来、すっかり麻雀から足を洗った、紺子と由紀であったが、そんな平穏な日々も長く
は続かなかった。
 いつものように、皿洗いをしている紺子の所に、端正な顔つきをした青年が訪ねてきた。
 「俺と、勝負しろ。」その男は、大声を張り上げた。
 「ちょっと、何なのよ、あんた。」どことなく、誰かに似た面影のある青年を紺子は見つめた。
 「俺は、お前達にやられ、この街を追われた“綿星龍司”の息子、綿星子龍だ。」 
 「あ、あなたが?」紺子は困惑した。
 「仲間の由紀を呼べ、早くしろっ!!」子龍は叫んだ。

 Tururu・・・・
 Turururu・・・・
 
 「もしもし・・・、あっ紺子。どうしたの?えっ、子龍?」由紀の声は、明らかにいつもと違っていた。
 「・・・分かった。今から行く。」由紀の電話を切った。
 
ピンポーン。
 玄関のチャイムが鳴ると同時に、由紀が駆け込んできた。
 「・・・・んもー、しつこい!!」由紀は、子龍に向かって信じられない言葉を発した。
 「えっ、あなた達、知り合いなの?」紺子は驚いた口調で、由紀に問いただした。
 「知ってるも何も、あの一件の後、偶然知り合って、最初は不憫さも手伝って、一緒に遊んでたん
だけど、告白されたから、その気はありませんって・・・私が一方的にフッたの。」由紀は、恥ずかし
そうに告白した。
 「なっ、何がいけなかったんだよ。」子龍がわめき始めた。
 「だって、我は強いくせに、麻雀弱いんだもん。」由紀が言い放った。
 「じゃ、麻雀で勝負しろ!!そしたら、あきらめる。」子龍は懲りていない様子である。
 「何回、フってあげれば気が済むのよ。」由紀は、吐き捨てるように言った。
 「その連れない素振りをやめればだ!!」子竜は、めげなかった。
 「はい。分かりました。じゃあ、勝負しましょう。」紺子が仕切りに入った。
 「ちっ、ちょっとー。」由紀が当惑した声で言った。
 「あなたは、何を賭けるの?」紺子は、お構いなしである。
 「俺は、我が家の家宝である古美術“俄毛馬(にわかけま)”を賭ける。俺のように逞しく、そして我
が儘な野生馬の彫刻だ。」子龍は、禍々しい古美術を取り出した。
 「じゃあ、私たちは由紀を賭けます。」紺子があっさりと言った。
 「ちょっ、ちょっとよー。」
 「ばかねぇ、どうせ勝つから良いのよ。」由紀はあっさりと丸め込まれた。
 しかし紺子は、近年男っ気のない由紀に早く再婚して欲しかったため、わざと負けて由紀と子龍を
付き合わせることまで視野に入れていた。
 名付けて『愛の紅一色大作戦』である。
 「後一人、メンツが足りないぜ。誰でも良いから呼べよ。」
 「じゃあ、出前がてら、戌輪でも呼びましょう。」

          * * * *

 ・・・ピンポーン。30分程して、戌輪がやってきた。
戌輪は店が忙しく、ほとんど寝ていない様子だった。
 「大丈夫、大丈夫。3半荘だけだから。しかも、これ見て。賭の賞品。
凄く高そうでしょ。家宝なんだって。」紺子が高い声で笑った。
 と、次の瞬間。
よろっ!!
ガシャーン!!♪
 「きゃー!!」
なんと、戌輪が疲労の余り、貧血を起こし、賞品の「俄毛馬」を割ってしまったのだった。
 「何の音だーーーー!!!」子龍が走ってきた。
 「なっ、何でもないわよ。あっちいってて。出前の皿が割れただけよ。」
紺子と戌輪は慌てて、破片を片づけた。
 「ううっ、こうなったら作戦変更。禁断の玄人業で子龍を“ネコ(イカサマのターゲット)”にするよ。
良いわね。」紺子が戌輪を睨み付けた。
 「うううっ、わ、分かりました、お嬢さん。」戌輪は気が進まないといった様子だった。
 「誰のせいだか、認識してるわよね。」紺子が凄む。
 「わかりやした。。。『・・・・・・葉菜すまねぇ。』」

 「さて、“キノコカレー”でお腹も満たされたことだし、そろそろ始めましょうか?」紺子の合図で場
の殺気が高まった。

 闘牌開始  東一局 親「子龍」 ドラ「五萬」

 (いいわね、行くわよ。)紺子が合図を送る。
(あいよ、お嬢さん。)戌輪が牌を送る。
 「ポン」
「うっ、早い。」子竜は当惑した。
 「ロン!!満貫」

 トイトイ ドラ2 8000点   子竜→紺子 

 その後も、禁断の玄人芸が冴える。
「ロン!!「ロン!!!「ルォォォォーーーーン!!」

 子竜(ネコ) トータル−90000点 飛び×3 

「まっ、参りましたー。。。由紀のことはあきらめます。」
子竜は、すっかく棘が無くなり、力無く部屋を出ていった。
「ちょっと、あなた達なんかやってない!?」由紀が、紺子を問いつめる。
「そんなやり方、あいつが可哀想だよ。。。待って、子竜君。」由紀が後を追って出ていった。
 「ふぅ、何だか分からないけど・・・、丸く収まったね。」紺子は、にやりと笑った。

 その後、すっかり灰汁が抜け、丸くなった子竜と由紀はつき合い始め、戌輪は麻雀からきっぱりと
足を洗った。
 紺子はというと、その後「霰谷一家」3代目組長を拝命したが、誰とも対局することはなく、「雀姉妹」
については伝説だけが語り継がれたという。
                    
                                                  −完−
 

 
 由紀=ヤコンコ
 霰谷紺子
 フッては、フッては、まだ振り止まぬ
 戌輪、よろっ、古美「俄毛馬」割り
 ネコは子龍で、丸くなる
| mogu | 16:13 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |

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